夫は来日して4年目だ。
今まで幸い職場に同じ国の人が多く、日本語が分からなくても大して困りはしなかったようだ。
そんな環境に甘えていた夫だが、私という人間に出会ったせいで、生活がガラリと変わった。
会話中、少しでもはてな???な顔をしたもんなら「はい、Translateして!」攻めに合い、嫌でも日本語⇔トルコ語の翻訳をし、意味の確認を行わなければならなくなった。
そんな生活を続けているうちに、また、仕事で相棒になった日本人の小森さんのおかげで、少しずつではあるが日本語を覚えてきた夫。
メインの先生が私だからなのか、ときどき語尾に「これ私がやるわ」と言った具合に女性っぽくなるのはご愛嬌。
国際結婚ならでは?意図せぬミステリーツアー
私はプランがはっきりしていないと気分が良くない。
最近やっと事前に休みの日予定を立てなくても平気になったところだ。
突然「今から外に行くよ!」と言う夫。
これも想定内。いつものことだ。
正直面倒くさいなと思いつつも、せっかく考えてくれた夫を立て、優しく応じる嫁。
「えっ、どこに行くの?」
答える夫。
「名古屋の方ね。緑がいっぱいあるところ」
名古屋の方=都会
緑がいっぱいあるところ=田舎
私の中の想定がいとも簡単に崩される。
頭の中はあそこかな?ここかな?ぐるぐる考える。
こうやって突然始まるミステリーツアー。
夫に非はない。サプライズをするロマンチックさも持ち合わせていない。
ただ日本語力が不足しているがために現れる偶然の産物。
答えが答えではない。ヒントにもならない情報
夫は行先を秘密にしているわけではない。きちんと行先を伝えてくれている。
「#@$?公園に行くよ」
「えっ?」
「$?@#公園だよ」
聞くたびに変わる意味の分からない名前の公園。
それが正しいか正しくないかは言葉の羅列で何となく分かる。
そんな場所、絶対ない!
これ以上聞いても機嫌を損ねるだけなので、
「へー、行ったことことないな!どこだろう。」
と適当な返事をする私。
ここまでで得たヒントは以下3つ
1.名古屋の方
2.緑がいっぱいあるところ
3.公園
範囲が広すぎて全く絞れない。
車に乗り込み、もう一度だけ聞いてみることに。
「ねぇ、どっちの方に行くの?」
「海のほうね」
ラッキー!新情報GET!
これでヒント4つになった!
1.名古屋の方
2.緑がいっぱいあるところ
3.公園
4.海の方
ここでちょっとした矛盾に気付く。
「名古屋の方」と「海の方」は「ショッピングする?」「海水浴する?」という、全く違う質問をしているのと同じことな気がする。
情報が増えたと思いきや、さらに混乱する私なのであった。
到着地は南知多 聖崎公園
行先を知るのは到着してから。ここはどうやら南知多の聖崎公園というところらしい。
調べてみると弘法大師が上陸したとされる場所。
時期によっては桜や梅の花を楽しむこともできるよう。
初めて来た場所にワクワクしながら車から降りる私。
ラマザン中の夫は日中、一切の飲食を断っているいるため、おでかけしてもグルメを楽しむどころか、ドリンクすら一緒に楽しめない状況。
この日は風が強いものの日差しが強く、少し汗ばむ陽気。
夫に悪いなと思いつつも、公園にあった自動販売機で飲み物を買うことにした私。
そこで見つけたのがコレ↓
写真中央にある怪しげなチョコミントドリンクが分かるだろうか。
チョコミント好きの私は一瞬惹かれたが、もしお口に合わなかった場合の処理班は私しかいないと気付き、ぐっと堪えた。
結局ノーマルな水を購入し、公園内の散策に向かうのでありました。
階段を登り切ったところにあったのは広場。
広場には聖平和観音像。大東亜戦争の英霊と町政功労者をお祀りしています。
広場と反対側には展望台があり、こんなきれいな風景を楽しむことができます。
登ってきた階段とは逆方向の階段を降りてみるとこんな風景が。
天気が良いと富士山が見えるそう。
公園周りの堤防には釣り人が多くおり、釣りスポットとしても人気の様子。
この公園を目的地にするとちょっと物足りないけれど、南知多方面に遊びに来た際に高台から見た海を満喫するのに良い公園!
南知多と言ったら魚太郎!
せっかくここまで来たんだったら絶対寄りたいのが魚太郎。
ここは新鮮な魚介類を購入・食べることができる人気のスポットだ。
海老や蟹、まぐろがとてもおいしそうでたまらない。
何か買って帰りたいなとぐるぐる回るが、どれも量が多い。
残念ながら夫は魚介類が得意ではないため、お一人様で片付けられるものでないと手が出せない。
結局買ったのはとろさばの干物。
トルコにはサバサンドがあるのでこれくらいは食べれるだろうという期待と、干物なので冷凍保存ができるいうメリットがあるからだ。
家に帰って1枚焼いて食べてみたけれど、肉厚・ジューシーでおいしいのと、1人では食べきれないほど大きくとってもお得!
魚が苦手な夫も「これなら食べれる!」と3口ほど食べてくれました。
同じものは魚太郎さんの通販サイトで買えます!
次は魚太郎さんでBBQしたいな!
まとめ
ミステリーツアーと言いつつも、ナビの設定を確認すれば分かること。
だけどあえて調べず、その時を存分に楽しむのも幸せに生きるコツ。
いつもは計画的に物事を進めないと気分が悪い私も、無計画を楽しむ余裕が出てきた今日この頃。
次はどんなところを見つけて連れて行ってくれるんだろう。
自分だけでは作れないワクワクって最高のプレゼントだね。